高額医療費助成は出産にも適応される?適用ケースと申請方法

何かとお金がかかる妊娠・出産。日本には高額な医療費を払った場合に適用される「高額医療費助成」というものがありますが、この制度は妊娠・出産にも適用可能なのでしょうか。

妊娠は基本的に自費診療では?と思いがちですが、実はこの高額医療費助成、場合によっては適用可能な場合があります。

では、それは一体どのような場合か?適用されるケースと金額・申請方法についてご紹介します。

「健康保険」適用ならば高額医療費の対象

保険適用になる妊娠中のトラブル

妊娠中、出産前までの過程でトラブルがおき受診した場合で保険が適用になるケースはつぎの通りです。

  • 重症妊娠悪阻
  • 子宮頸管無力症
  • 妊娠高血圧症候群
  • 児頭骨盤不均衡の検査
  • 逆子・前置胎盤の検査
  • 前期破水
  • 切迫流産・切迫早産
  • 流産・早産
  • そのほかの疾患や持病による合併症

上記のような症状による検査や治療などは保険適用になります。

出産時のトラブルで適用になるケース

出産のときにトラブルがおき、治療した場合で適用になるケースは次の通りです。

  • 微弱陣痛で陣痛促進剤を使ったとき
  • 吸引・鉗子分娩
  • 帝王切開
  • 止血のための点滴
  • 無痛分娩の麻酔(医師が認めたときのみ)

上記のようなケースは保険適用の治療、処置となります。

病院への交通費も対象になるって本当?

通院が必要となった場合の交通費は申告できる場合があります。その対象となる交通方法は以下の通りです。

  • 公共交通機関
  • 緊急性・交通不便・要介護などの場合のタクシー

公共交通機関の場合は申請に領収書が不要です。また、タクシーの場合は領収書をもらいましょう。タクシーの場合は規定をクリアしたときに対象になります。自家用車のガソリン代や駐車場代は対象外です。

高額医療費助成の申請方法

申請に必要なもの

高額医療費助成の申請に必要なものはつぎの通りです。

  • 高額の医療費を支払った領収書
  • 保険証
  • 印鑑
  • 振込口座のわかるもの

上記を用意して申請をします。

申請のタイミング

申請のタイミングは医療費の支払い前にする申請(限度額適用認定証の発行)と医療費支払い後の申請(高額療養費の申請)との2つのパターンがあります。

<事前に申請するパターン>

限度額適用認定証を事前に発行します。

流れは次のようになります。

  1. 加入している健康保険の窓口で申請書をもらい提出。
  2. 限度額適応認定書を交付(有効期限 1年)
  3. 病院での支払い時に提示

この限度額適応認定書を退院時に提示することで、窓口での支払いが自己負担限度額だけで済みます。予定帝王切開など、事前に入院する予定の場合は事前に申請しておくとよいでしょう。

<事後に申請するパターン>

高額療養費の支給申請をします。

流れは次のようになります。

  1. 退院時に窓口で全額を支払い領収書をもらう。
  2. 加入している健康保険窓口で申請書をもらい提出。

一度支払い、申請後対象分を振り込んでもらう形になります。

<加入している健康保険とは>

加入している健康保険によって申請する窓口がかわってきます。

  • 自身が勤めているときは勤め先の健康保険窓口へ
  • 配偶者の扶養に入っているときは配偶者の勤め先の健康保険窓口へ
  • 国民保険に加入しているときは役所へ

妊娠をしたら一度確認しておくとよいでしょう。

自己負担額の目安を計算しよう

計算方法は所得に応じて変わります。

自己負担額の計算式

  1. 一般所得者(月収53万以下)  80100+(総医療費-267000)×1%
  2. 上位所得者(月収53万以上)  150000+(総医療費-500000)×1%
  3. 低所得者(市町村民税非課税者) 35400円

収入が低いともらえる金額が多くなる印象ですね。

ここでは、一般所得者の場合で計算してみましょう。

[総医療費が100万円のとき、自己負担3割で窓口の支払いは30万円としたとき]

80100+(1000000-267000)×1%=87430円

計算式に当てはめると、答えは87430円になります。この87430円が支払う金額(自己負担額)となります。

支払い前の申請でも、支払い後の申請でも自己負担金額は同じになります。

適用のルール

高額医療費助成の申請をする前に次のことをしっかり確認しましょう。

  • 健康保険適用であること
  • 合計金額として合わせることができる医療費は同じ月のみ
  • ベット代・食費は医療費にはいらない
  • 基本的には同じ医療機関の医療費
  • 21000円以上の医療費は世帯で合わせられる
  • 高額な支払いが続いたときは4回目の受診から自己負担額が減らされる

<健康保険適用であること>

最初で記した通り、まずは健康保険適用の医療費であることが第一条件です。高額でも自費診療では、高額医療費助成の対象にはなりません。

<合計金額として合わせることができる医療費は同じ月のみ>

同じ医療機関で複数回受診しても、総医療費として考えるのは1ヶ月単位です。受診した月ごとに合算して考えましょう。

<ベット代・食費は医療費には入らない>

入院中のベット代や、食事代は医療費には入りません。他にも先進医療費も保険外の支払いなので高額医療費助成の対象にはなりませんから注意しましょう。

<基本的には同じ医療機関の医療費>

医療費の合算は同じ医療機関のものとなります。しかし、総合病院など1つの病院に様々な科がある場合においては、同じ病院であっても合算が認められないこともあるので、確認するとよいでしょう。

ただし、処方された薬を薬局で支払った場合は医療機関の医療費と合算できます。

<21000円以上の医療費は世帯で合わせられる>

複数の病院で受診し支払った場合、その月で支払った金額の合計が21000円を超えた場合は世帯内で合算できます。ここで注意することは、世帯内の合算は同一世帯に限られるということです。共働きでそれぞれが健康保険に加入しているとき、同一世帯とはみなされません。

<高額な支払いが続いたときは4回目の受診から自己負担額が減らされる>

高額な支払いが続いた場合に、多数該当高額療養費という制度があります。高額な支払いが3ヶ月以上あった場合に適用される制度で、4ヶ月目の受診から自己負担額が軽減されます。長期入院での治療となった場合に有効です。

高額療養費貸付制度

急な入院や治療などが起こった場合に助かる制度です。事前に高額医療費助成を申請し認定書をもらっている方や経済的に問題なく医療費を支払える場合はよいのですが、経済的に高額医療費への支払いが難しいときに助かる制度が高額療養費貸付制度です。高額療養費が前借りできるしくみになっています。このように高額療養費はさまざまな申請パターンがあるので急なトラブルが起きたときでも安心してくださいね。

申請をしていない場合

高額医療費の助成を知らなかった、忘れていたという人も落ち着いてください。高額療養費の手続きは、支払日から2年間有効です。この2年以内であれば手続きは可能ですので、忘れずに手続きしましょう。

また、申請後払い戻しまで3ヶ月以上かかりますので覚えておいてくださいね。

思いがけない入院などで、高額医療費の対象になることもあるので、医療費の領収書は捨てずに保管しておきましょう。

少しむずかしく感じるお金の話でしたが、知っていて損はありません。妊娠、出産にはお金がかかるものです。できるだけ経済的負担を軽く済ませたいですよね。そんなとき、高額医療費助成の対象となれば強い味方となってくれます。他にも妊娠、出産の費用に関しての助成制度があります。これから出産を考えている方、今現在妊娠している方、そして、出産を終えてまだ申請していない方はぜひ高額医療費助成、さらには、他の助成制度も併せて確認してみるとよいですね。

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